【LoL】戦わずに勝つために
百戦百勝といえば聞こえはいいですが、『孫子』はこれを最善ではないと言っています。
なぜなら勝ってもこちらに少なからず被害が出るからです。
lolにおいての「勝っても被害が出る」には、どんな状況があるでしょうか。
例えば、強引にタワーダイブしてキルを取れたけど、タワーの攻撃や駆け付けたジャングラーにやられてしまった時。
ドラゴンやバロンを倒したけど、直後に敵に囲まれて全滅した時。
特定レーンに味方ジャングラーが張り付き過ぎて、経験値が分散してしまった時。
特に気を付けたいのはキルを稼ぐことが目的になってしまうことです。
相手に数値的な絶望感を与えるという意味では有効かもしれません。
しかしそうなった時に、キルだけ集めてタワーは全然進めないという人は意外といます。
キルはあくまで勝つための手段であって目的ではありません。
低レート帯で試合が泥沼化するのは、手段と目的が曖昧になって試合の終わらせ方がわからなくなってしまうからです。
手段と目的の曖昧化としては、ファームに夢中で味方がピンチの時でもファームをしている人もいますが、これは問題外です。
赤バフや青バフを倒してから寄るジャングラーもいますが、これもいけません。
中立を狩るのとキル(アシスト)を取るのはどっちが大切か、ということです。
数秒の遅れで味方がキルされるかもしれないので、味方がピンチの時はすぐに寄るようにしましょう。
『孫子』の基本原則は「戦わずして勝つ」ことです。
上位ランクにいる人は、意図せずしてそんな戦い方をするようになっていきます。
リスクを避けてリードを奪う為のファームの技術、ワードの使い方、中立モンスターの管理、手薄なタワーのプッシュ技術、緊急時の判断が優れています。
レーン戦でもキルの取り合いが生まれず、どちらかのミスプレイやジャングラーが介入するまで膠着するようなシーンもよくありますね。
lolが「弱くても勝てる」「下手でも勝てる」と言われる所以はそこにあります。
チャンピオン操作が苦手でも、戦略とチームワークでそれを補えるようにできているのです。
【孫子】謀攻篇(1)原文と意味
孫子曰わく、凡そ兵を用うるの法は、国を全うするを上と為し、国を破るはこれに次ぐ。
軍を全うするを上となし、軍を破るはこれに次ぐ。
旅を全うするを上となし、旅を破るはこれに次ぐ。
卒を全うするを上となし、卒を破るはこれに次ぐ。
伍を全うするを上となし、伍を破るはこれに次ぐ。
是の故に百戦百勝は善の善なる者にあらず。
戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。
【訳】
戦のやり方は、敵国を痛めつけないで降伏させるのが上策である。
撃破して降伏させるのは次善の策にすぎない。
また敵の軍にしても、痛めつけないで降伏させるのが上策であって、撃破して降伏させるのは次善の策だ。
大隊、中隊、小隊についても、同様である。
したがって百回戦って百回勝ったとしても、最善の策とはいえない。
戦わないで敵を降伏させるのが、最善の策なのである。