【LoL】その場で完結する行動はない
この項では相手の動きを観察して、裏にある意図や狙いを探ることの大切さを説明していきます。
孫子の原文でも重要なこととして紹介されているのは、現場の変化を「何かの前兆」と捉える考え方が大切だからです。
lolに慣れてくると明らかに誘っている動きや、別に意図がある動きが分かるようになってきます。
例えば相手がいきなりレーンから姿を消したり、ギリギリ攻撃が届きそうな場所でリコールしてきたとき。
それはハッタリかもしれないし罠かもしれないので、判断できるように常に考えながらプレイしましょう。
原文の前半では環境の変化から相手の意図を探る方法が書かれており、後半では観察の対象が環境から人間に移っています。
lolでは相手の動きから意図を探ることができますが、モニターの向こう側、実際に操作している人間の心理が分かればさらに試合をコントロールしやすくなります。
例えば、明らかにイライラしてキルを狙ってきているような相手なら、ジャングラーを呼び込むことで簡単に返り討ちにできます。
さらに、2、3回それが続けば相手は不貞腐れて試合を放置する可能性もあります。
そうなれば簡単に効率よく試合に勝つことができるでしょう。
相手が臆病でこちらが近づくだけで逃げてくれるようなら、余裕を持ってファームやハラスが行えます。
このように相手が好戦的な性格なのか、慎重な性格なのか、立ち回りの癖や条件反射の操作はあるのかといった、相手がどんな人間なのかを理解しようとすることは非常に重要です。
参考になるのはやはりプロ動画。
特にキルが生まれたときや、ドラゴンなどを狩ったときは少し巻き戻して、何故それができたのか?そこに至るまでの前兆の有無や立ち回りのパターンは?といったことを考えるようにするといいです。
【孫子】行軍篇(2)原文と意味
敵近くして静かなるは其の険を恃めばなり。
遠くして戦いを挑むは人の進むを欲するなり。
其の居る所の易なるは利なればなり。
衆樹の動くは来たるなり。
衆草の障多きは疑なり。
鳥起つは伏なり。
獣駭くは覆なり。
塵高くして鋭きは車の来たるなり。
卑くして広きは徒の来たるなり。
散じて条達するは樵採するなり。
少なくして往来するは軍を営むなり。
【訳】
敵が近くにいながら静まりかえっているのは、険阻な地形を頼みにしているからである。
敵が遠くに布陣してしきりに挑発してくるのは、こちらを誘い出そうとしているからである。
敵が険阻な地形を捨てて平坦な地に布陣しているのは、そこに何らかの利点を見出しているからである。
木々が揺れ動いているのは敵が進行してきたしるしである。
草むらに仕掛けがあるのは、こちらをけん制しようとしているからである。
鳥が飛び立つのは伏兵がいる証拠である。
獣が驚いて走り出るのは奇襲部隊が来ているからである。
土埃が高く舞い上がるのは戦車が進攻してくるからである。
土埃が低く舞い上がるのは歩兵部隊が進攻してくるからである。
土埃があちこちで細く舞い上がるのは敵兵が薪を拾っているからである。
土埃がかすかに移動しながら舞い上がるのは敵が宿営の準備をしているのである。
辞卑くして備えを益すは進むなり。
辞の強くして進駆するは退くなり。
軽車先ず出でて其の側に居るは陳するなり。
約なくして和を請うは謀るなり。
奔走して兵車を陳ぬるは期するなり。
半進半退するは誘うなり。
【訳】
敵の軍使がへりくだった口上を述べながら守りを固めているのは、実は攻撃の準備に取り掛かっているからだ。
軍使の口上が強気で進攻の構えを見せるのは、実は退却の準備に取り掛かっているからだ。
戦車が全面に出てきて両側を固めるのは、陣地の構築に取り掛かっているからだ。
突然講和を申し入れてくるのは、何らかの計略があるからだ。
敵陣の動きが慌ただしく、戦車を連ねるのは開戦を決めているからである。
敵が進んでは退き、退いては進むのはこちらを誘い出そうとしているからである。
杖つきて立つは飢うるなり。
汲みて先ず飲むは渇するなり。
利を見て進まざるは労るるなり。
鳥の集まるは虚しきなり。
夜呼ぶは恐るるなり。
軍擾るるは将重からざるなり。
旌旗動くは乱るるなり。
吏怒るは倦みたるなり。
馬を殺して肉食するは、軍に糧なきなり。
軍、ふを懸くることなく舎に返らざるは窮寇なり。
諄々翕々として徐に人と言うは衆を失うなり。
【訳】
敵が杖にすがって歩いているのは食料不足に陥っているからである。
水汲みに出て本人が真っ先に水を飲むのは水不足に陥っているからである。
有利なのに進攻しないのは疲労しているからである。
敵陣上空に鳥が群がっているのは、すでに軍を引き払っているからである。
夜、大声で呼び交わすのは恐怖しているからである。
軍に統制を欠くのは将軍に威厳がないからである。
旗が揺れ動いているのは、将兵に動揺が起こっているからである。
将軍が兵士を怒鳴るのは、疲労しているからである。
馬を殺して食べるのは兵糧が底をついてるからである。
将軍が炊事道具を片付けて幕舎に帰ろうともしないのは行き詰って最後の決戦を挑もうとしているからだ。
将軍が小声で兵士に話しかけるのは部下の信頼を失っているからだ。
数賞するは窘しむなり。
数罰するは困しむなり。
先に暴にして後に其の衆を畏るるは不精の至りなり。
来たりて委謝するは休息を欲するなり。
兵怒りて相迎え、久しくして合せず、又た相去らざるは、必らず謹しみてこれを察せよ。
【訳】
将軍にやたらと賞を与えるのは行き詰っているからである。
しきりに罰を与えるのも同じである。
また兵士を怒鳴って後から離反を恐れるのは考えの至らなさを露呈している。
敵が軍使を派遣して挨拶に来るのは休養を欲して時間稼ぎをしているからである。
敵が怒って攻めてきて戦おうとせず、かといって退きもしないのは、何か計略があってのことだ。
そんなときは慎重に敵の意図を探らなければいけない。
まとめ
・視認できることだけが真実ではない。
・強引な動きやわざとらしい動きには裏がある。
・プレイしている相手の感情が分かればそれを利用できる。